相変わらず人気のうどんとそばについて
うどん
うどんはそばよりも歴史が古く室町の時代にはもう作られていたようです。
うどんのおいしさは“歯ごたえ”と“のど越し”にあるといえます。
うどんの主原料は、小麦粉で塩水を加えて打ちます。塩がより強力なグルテンを形成し麺のシコシコした食感をだす。
しかし、生地は非常に強い粘弾性を持つために手でもみ込めず、そこで足で踏むということになります。それにより生地をより一層弾力あるものにする効果があります。一方、生地をねかせる(熟成)ことにより柔らかさとともに延ばしやすくなります。ゆでると適度に塩分が抜け、冷水にさらすことでシコシコとした歯ごたえのうどんに仕上がります。
そんなうどんにも全国で名物うどんと言われる独特のスタイルがあります。まず、しなやかなコシを身上とする「讃岐うどん」細く透明な麺の「水沢うどん」また、幅広で薄い名古屋の「きしめん」、丸くて太いもっちり「伊勢うどん」、薄くしかも繊細な「稲庭うどん」と多種多様な形があります。
同様にうどんのつゆも地域性により讃岐では瀬戸内のいりこを使い、大阪では昆布と鰹節のだし、そして名古屋や伊勢では溜り醤油を使うなど各地で育まれた味が生きています。
そば
私たちが普段食べている、暖かいつゆをかけた「そば」をそばがきやそば餅と区別して“そば切り”という。
俗に「そばは75日」といわれ、タデ科の1年生作物で種まきから収穫までの期間が短く、土地を選ばないためやせた土地でも育つ。また、収穫時期で「夏そば」と「秋そば」に大別される。そばの産地としては、北海道、青森、岩手、福島、栃木、長野、徳島、宮崎、鹿児島等があるがとくに、信州そばは高冷地の気候のため良質のそばがとれることで有名です。
そば粉は、うどん粉と比べてつながりにくくそこで一般には小麦粉が利用される。「二八そば」は小麦粉とそば粉の割合でそば粉が8割です。ただし、つなぎは小麦粉だけでなく、卵や山芋等も使われている。知られているものでは、新潟の海草の布海苔を使った「へぎそば」や長野の山ゴボウの葉を使う「富倉そば」、鹿児島の自然薯を使った「薩摩そば」等が挙げられます。
そばは栄養素も多く良質のタンパク質、ビタミンB群、ルチンやコリン、食物繊維も豊富に入った食物で茹でると湯に出てしまうのでそば湯は飲んだ方がよい。
西と東のだしの違いは、関東では濃厚な辛汁のつゆにそばをつけて食べる。一方、関西といえばかけ汁やもり汁(かけだし)のように琥珀色の透明なつゆをかけたものを思い浮かべます。つゆも、関東の辛汁は鰹節からの濃厚なだし、醤油、みりん、砂糖を使うがどの味、香りも表面に出ないものが理想とされる。しかし、関西は鰹と昆布の各々のうまみと香りを引出しただしに薄口醤油を加えるのが一般的です。このように東西は対照的な味の文化があります。
昔から「江戸のそば、大阪のうどん」といわれるほど一般的な麺をこれからも大事にしたいものです。
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